ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

新時代にいきる女性たちへ。

みどりの黒板いっぱいに、まるっこい字で、先生が書いている。その日が、4月のはじめての授業だった。中学2年生相手に、先生は好きなことばを書いている。20代後半くらいにみえた。よく通る声の、華奢な国語教師だった。黒いショートカットに、くっきり…

ちゃいろい、かたまり。

ちゃいろいかたまりがあります。くたびれた、ちゃいろい毛皮です。みなさんごぞんじの、犬です。よごれてません。これがいつもです。もそもそしてます。犬は、いつもイケメンではありません。あんしんしてください。 (愛犬ホームズ著『アート、それは犬』よ…

風のとおりみち

風がね、ふいてます。犬もね、きもちいいです。人間もね、きもちよくなるといいです。犬は、いつもいっしょです。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

あたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜

ところで、この思想家、ものすごく好きです。 この方の、『逝きし世の面影』。文面からただよいでる、人間へのあたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜。1行読むたびに、胸がつまって、ひと息おきたくなる。ミネラルウォーターを流…

さんぽきらいの理由

犬がさんぽを好きじゃないのは、「せまい世界のなかにこもっているほうが安心だから」「自分の序列がさがってしまうから」「自分に自信がないから」だからだそうです。むつかしいです。悪口いわれてます。犬のこの無垢な顔を、みてください。 (愛犬ホームズ…

慈しみ深きノートルダムの炎上

燃えあがるノートルダム寺院をかこった市民たちが、アヴェ・マリアを歌っているというニュースを聞いたとき、ぞくりとした。あまりに絵画的だった。伝統的といってもいい。中世ヨーロッパのできごとかと思った。 ノートル=ダムとは、わたしたちのマダム、す…

カザフの英雄は、無選別に旅立った。

カザフの英雄が世を去った。ちょうど一年前。デニス・テン。世界的なフィギュアスケーター、享年25才。車のミラーをぬすむという、ちゃちな犯罪者に刺された。犯罪者にとっては、ミラーがあればよかったのだ。デニス・テンであることを、おそらく知らなか…

しゃれこうべに誓う

信長は残虐なのかという問いは、思考のたねにものすごくよくて、たまに考える。信長がこれはと認めていた縁戚に、挙兵される姉川の戦い。浅井は特別だったのだ。世が世ならば、名君とたたえられただろう。家柄もよければ、賢政をする才もあり、民を思うここ…

きびだんご

犬といっしょに、旅にでましょう。犬もいっしょに、ついていきます。犬はね、犬はね、人間といっしょです。おともします。今に生きてます。でもあしたも、おともします。 (愛犬ホームズ著『それが犬の生きる道』より)

人生名シーン回想モード

風邪をひいているので、さしいれにオロナミンCをもらった。あたまが煮沸されていて、オフィスワーカー系の海外ドラマかと思った。 ハーーイ!なあに、あなた朝から、この世のおわりみたいな顔してるの!(指先でつまんだオロナミンCを置く)あいかわらず、つ…

なでなでなでなで

犬の眼をみてください。こころがきれいなひとの眼です。たとえ、おなかなでなでの態勢であっても。そしてこの眼は、かなしみも知っています。なでなでは、ときに、かなえられません。 (愛犬ホームズ著『犬よ、声低く真実を語れ』より)

まぶたの裏に、夏の特別がある。風の古民家うえみなみレポ。

ふりあおいだ、入道雲。リボンひらめく、麦わらぼうし。そでの丸いワンピース。しずむ夕陽をながめたテトラポッド。神妙に手をつないだ、かえり道。日焼けなんて、どうでもよかった。花火なんて、なくてよかった。 金粉を散らしたようにはじける、早暁の小川…

毛皮とまるがりと夏

犬は、毛皮をきています。さむいところの生きものです。肉球からしか、汗がでません。舌をだすしかありません。 人間がじっとみています。「暑い?」しきりに、きいてきます。「もうちょっと刈ろうか?」犬は、ことばが話せません。こうやって犬は、ぶざまな…

ティッシュとはみがき

このふわふわは、はみがきされる予感です。はぐきをむきだしにされます。はみがきは不快です。空気をだして、「しーしー」と、威嚇します。人間は気にしません。人間は、犬が、がぶりとやれることを、わすれています。犬は、犬は、つよいのです。でも、がぶ…

犬は高貴

ふせた、まぶた。きらめくクリームのうぶげ。ふさふさの長いしっぽ。犬の高貴を、ここにごひろうします。どうでしょうか。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

グッドニュース

あのねあのね、そこのご主人。犬ね犬ね、いいことあったの。つまんないこというだろうって?犬もそうおもいます!あ、まって、ご主人…… (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

さとり世代

犬は知っています。人間のごはん、もらえないことを。犬はわかってます。暑いときは暑いです。さむいときはさむいです。でも、犬は、おちてる柿をもらえます。おちてるやさいも、もらえます。人間のミルクをちょっとでもなめたら、ぜんぶもらえます。いやが…

謎は謎のままで

謎は謎のままで、ずっとずっと魅力的だった。 切り裂きジャックが判明したと、メディア記事がでていた。(ただし信憑性は不明) ときは、19世紀、蒸気と石炭のロンドン。既存の富はかたむき、あらたに成金があふれ、クジャクのように社交界になだれこんで…

さんぽ拒否

さんぽにつれていかれると、ずりずりします。犬はふんばります。そっちにはいきません。人間はあきらめます。ひきかえします。家で人間が心配そうにいいます。「ほむちゃん足が痛いんかなあ。暑いのかなあ」「だから帰り道だけ、一生懸命あるくのかな」 人間…

犬の池について

犬の池があります。犬の庭にある、犬の池です。巡回のさいには、犬は、池をのぞきこみます。池があれば、みるのです。水があれば、のぞくのです。おなじもので、いいのです。なにがみえても、いいのです。 (愛犬ホームズ著『犬と四季』より) ▲柿はもうなっ…

にっこり

かぜふいてますね。きもちいいです。犬、いっぱいあるきました。ゆっくりしてます。人間もゆっくりするといいです。にっこり、ゆっくり、にっこりです。(愛犬ホームズ著『犬と四季』より)

もしかして:

おにくですか?犬ね、ここにいますよ。気づいてるかな、とおもったんです。犬、ちいさいから、そういうこともあるとおもって。犬ね、およばれしたら、ちゃんといく子です。犬ね、犬ね、いそいでないですよ。 (愛犬ホームズ著『食卓と犬』より)

こんじきのちいさき犬のかたち

をしているものは、愛です。犬とは、愛なのです。犬は人間をかわいがっています。人間も犬をかわいがりましょう。それが愛というものです。 (愛犬ホームズ著『それが犬の生きる道』より)

みてる

犬が、すわりこんで動かないから、人間がいいました。「なにかあるの」このひかる道のさきには、きぼうとか、あしたとか、あるとおもいます。人間とか、人間とか、とおっていきます。犬はずっとみてるのです。人間はすぐ、理由をしりたがります。みてるから…

ボロの共演

犬は寝ます、ティッシュといっしょに。まるがりになりそこねた犬は、くしゃくしゃのティッシュといっしょです。人間はいいます。「よりいっそう、襤褸い」犬のせいじゃないです。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

まっててあげます。

なにかありましたか。おとしものですか。ひろってきていいです。まっててあげます。犬にもわけましょう。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

くんくん

くんくんするのは、しんあいの表現です。くんくんさせてください。「なんか冷たいのついた」とか、いわないでください。鼻がぬれているのです。きたなくないです。はなみずじゃないです。 (愛犬ホームズ著『犬のかなしみ』より)

やわらかい

犬はやわらかいです。人間はいいます。「これどうなってるの」のびています。くつろぎ上手というらしいです。鼻がたかいです。みなさんも、のうのうとしましょう。あしたはよくなります。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

かなしみ

犬はかなしみをしっています。かなしみを知る目をしています。人間がかなしいと、犬もかなしいです。なかみはわからないです。かなしいだけでじゅうぶんです。犬はわかります。 ところで、みどりの梅がおちています。たべていいですか。 (愛犬ホームズ著『…

護衛官

ねむっているとお思いかと思います。護衛しています。けどられないようにです。ゆだんしているようにみせています。犬はすぐおきます。犬は、人間を、まもってあげています。肉をください。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)