ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

本のはなし

へこんだときにおすすめの本(終戦直後編)

時代別におすすめ本をあげる、歴史好きらしい展開をさせております。どこのだれが、おちこみを時代でカテゴライズするのか。おちこんだときに、「今日は、幕末がいいかな♪」というひとが、はたしているのか。と自問しつつ、幕末という響きだけで、いまときめ…

へこんだときに読む本(平安時代編)

大学のころに作った、「おちこんだときに読む本リスト」が、発掘された。しかも、せっせとコピーをとっていた。殊勝なことに、コピー用紙をまとめて、手とじ本にしてあった。失敗したホチキスの穴があいている。手折りしたところに、手あかがにじんでいる。…

三種の神器って、平家物語で、海のもくずと消えなかったか?

三種の神器は、欠けている。ないはずだ。なくなったはずだ。壇ノ浦の戦いで。幼帝が入水するとき、ともに沈んだのだ。 御代がわりの話題のなかで、ふつうに「三種の神器」がでてきて、二度見した。あったっけ。なくなったのは虚構だったっけ。こういうとき、…

ミス・ユニバースとストレングスファインダー!

ドナルド・トランプから指名され、日本のナショナルディレクターをつとめた、イネス・リグロン。彼女の指導によって、48年ぶりに、日本代表がミス・ユニバースに選出されることになる。というのが能書きなんですが、このひと、目を奪うほどの美人。 あまい…

友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」

まだまだ若いラグビー界の伝説が、ある日突然、末期ガンになった。高校時代、その伝説にあこがれたノーベル賞受賞者が、医師として、親友として、その最後の挑戦を見届ける。 この文言だけを読んで、想像する内容そのままの本。文面がやわらかく、暴力的なと…

Groria In excelsis Deo

小学校のころよく読んでいた作家は、いま思えば、尋常でなく旅好きだった。3か月くらいに1冊、新刊がでた。新刊の物理的魅力は、とほうもなかった。このなかに、あたらしい物語がつまっている。ためいきがでる。ななめにして、つやつやと光る、キズひとつ…

アンコールワット記4:ガジュマルがたいらげるタプローム寺院

棄てられるということは、どういうことなのだろう。みやこが、うつる。ひとが去る。遷都されたあとの旧都は、どうなっていくのか。平城京では、魑魅魍魎が跋扈した。木造のたてものは、たびかさなる大火にむなしくなった。それが石ならどうだろう。 ときは1…

フルタイムワーカーが、iOS読みあげ機能を駆使して、家事をしながら2か月で50冊読む方法。

多読している人は、ほんとうに読んでいるのか。どこにそんな時間があるの。ひまなんじゃないの。ともだちいないんじゃないの。 と思っている人むけの記事です。まずは、iOSの読みあげ機能をつかえるようにする。iOSは、一度設定すると、2本指で画面上からス…

アンコールワット記3:まぼろしの新都・アンコールトム

三島由紀夫『癩王のテラス』の主人公、ジャヤーヴァルマン7世。戦いをくりかえし、クメール王朝の最盛期をあらわした。と、同時に、はじめて仏教に帰依した、美貌の王。100をこえる病院を、200をこえる宿駅をつくらせ、政治的手腕も、人格もたたえら…

目でみているものなのに、なぜ痛むのか。

とりわけ翻訳の文。日本語がガタガタしていて、のみごこちが悪いときがある。のみこめなくて、のどがちくちくする。アルミホイルを噛んでいるようないやな感じ。金物のおちつかなさ。あかいぶつぶつが喉にある気がする。食道につまる。でも読みたい。感覚を…

たまごは断崖絶壁でマザーグースを歌う。

わたしはたまごが好きである。今夜はのこりもので済ませようと思って、1品足すためにたまごを焼いたら、そのたまごだけ完食してしまった。こどもか。その次に、まだ食指の動く、ポタージュをのみほした。ポタージュはカボチャが至高だと思っているけれど、…

あらゆる快楽、あらゆる褒美、いかなる賛辞にもかなえられない、最後の果実。

わたしは、ひとつの愚を犯しました。いえ、現在進行形です。犯しつづけております。この世における万能感。そう、わたしはなんでもできる。ベッドの上で、天井を見あげながら、この世が手に入る。この耳をつんざき、とどろき、ふるえあがらせる、すさまじい…

金襴緞子の帯しめながら、花嫁御寮はなぜ泣くのか。

読んでいた本に、竹久夢二の詩、「宵待草」がでてきた。ははあ。もうそれだけで染みてくる、きざし。はたして予感は的中した。だよね、わかってる。もちろん旋律を聞きたくなって、宵待草を流した。 待てど暮らせど、来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も…

悲しむなかれ、我が友よ。旅の衣をととのえよ。

かなしみセンサーの鍛錬に余念がない、切なさ向上委員会のみなさま。そう、あなたです。だいたいこのタイトルを聞いただけで、ピンときますね。きっと戦争だ。あたりです。友にわかれを告げるだけで。旅支度をするだけで。出征する学友の、若いまなざしが、…

花のようなる秀頼さまを、鬼のようなる真田がつれて。

かなしい旋律シリーズ。つづけます。 大坂城、落城。落城という響きに、哀感がないわけがない。落つるは、涙か。流るるは、血か。それでも、いのちまではとられなかった。ひとはそう思いたい。秀頼は死ななかったのだ。落ちのびたのだ。歴史の舞台には、もう…

ほんとうは故郷なんてどこにもないんだとわかっているのに、どこかへ強烈に曳いていく、わびしさもない、つらさも息苦しさもない、透きとおった感情だけがあるような音色。

大河ドラマ清盛の第1回、子どもの歌が流れたときの、あの、あたまをなぐられたような感覚は忘れられない。 遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん 画面のこちらで、目をむいた。梁塵秘抄だ!音色があったんだ!音階がひとつかふたつ、少ない気もする…

大阪礼賛、みをつくしても。

大阪には、あえていくほどのところは、とくにない。大阪うまれ、大阪育ちの身として、力強くいえる。だから、そとからきたひとに尋ねられると困る。うーん、京都か奈良にいったら?大阪城にいくなら白鷺城のほうがいいし、神戸の異人館もいい。寺社は京都に…

高校生くらいのころ、宮沢賢治の雨ニモ負ケズをひいて、「さふいふ人にわたしもなりたい」といったら、

父が、しばらくだまって、静かな声でいった。「デグノボーとひとに呼ばれるのは、きついものだよ」 た、たしかに。意図するせざるにかかわらず、父から、そこはかとなくただよう哀愁。高校生は、二の句をつげられなかった。 なぜこの話を思い出したかという…

南波照間島と裏切りの精度

どうしよう。後味が、激烈に、悪い。 そんなはずじゃなかったじゃないか。信じてたのに。いままでだいじょうぶだったじゃないか。 主人公が、もうひとりの主人公を裏切った。ははは、なるほど。ドラマティックにきたね。伏線がわかりやすすぎるから、もうひ…

鳴くセミよりも 鳴かぬホタルが 身を焦がす

盛夏のセミが暑苦しい候ですが、唐突に、本をご紹介します。時間をまきもどします。いまは6月です。 ホタルを狩りにいくまえに、脳内モードをホタルにきりかえましょう。そうすると、よりいっそうホタル狩りをたのしめます。ちなみにわたしは一度も見たこと…