ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

しゃれこうべに誓う

 

信長は残虐なのかという問いは、思考のたねにものすごくよくて、たまに考える。
信長がこれはと認めていた縁戚に、挙兵される姉川の戦い。
浅井は特別だったのだ。
世が世ならば、名君とたたえられただろう。
家柄もよければ、賢政をする才もあり、民を思うこころもあった。
時代が違っていれば。
戦乱の世でなければ。


ひるがえって、信長である。
信長は、浅井に、妹を領地をあたえ、とりたてた。
いわば身内なのである。
あの信長が、身内にするほどだったのだ。
離反される理由なんてなにもない。

信長はいったという。虚報だろう。
浅井がふたごころをいだくはずがない。
あの浅井なのだ。
なんの不満もないはずなのだ。

そう、ひとつだけ。
ただひとつ、信長個人を討つ意志がなければ。
信長ひとりの個性に、討たねばならぬものがなければ。
それさえなければ、ただのひとつもなかった。
浅井は判じたのだ。
義兄・信長を、あのひとを生かしておいてはいけない。

このあと、信長はかたむくことになる。
どこかのふちへ。
一度敵となったならば、全滅させる。
おいつめ、焼きうち、草も生えない。
乞う声など聞かない。
当然だろう。笑止だ。
浅井のしゃれこうべを盃にしよう。
どくろをかかげて誓おう。
そう、殺したらもう二度と翻意することはないのだから。
二度と裏切りはしないのだから。
もう誰も、裏切らせはしない。

 

 

東洋佐々木ガラス 日本酒グラス クリア 120ml 江戸硝子 八千代窯 盃 日本製 10793

▲どくろの盃をいれるのはしのびなかったので、美しい盃をリンクしておきます。